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都道府県福祉施設士会活動報告

東京都福祉施設士会・秋季セミナー開催報告

 東京都福祉施設士会は、平成25年度秋季セミナーを平成25年9月11日(水)に淑徳短期大学(東京都板橋区)にて開催し、128名が参加した。
 セミナーテーマは「福祉施設における地震災害対策の新しいカタチ」として、施設管理者向けの研修を行った。
 開会式では、山川常雄東京都福祉施設士会副会長よりセミナー開催主旨を交えた開会宣言に続き、高橋紘同会長が、学び続ける施設管理者の会である福祉施設士会の研修内容や、東京都福祉施設士会の活動状況を紹介した。
 その後、フォックスブルー株式会社代表取締役 早川 英樹 氏が、「福祉施設における地震災害対策の新しいカタチ今日からできる、誰でもできる“そなえ”」をテーマに講義を行った。
 早川氏は、地震対策のポイントとして、地震災害は初動の30分が命運を分けることになり、「死なない、死なせない、生き残り、生き延びる」ことを最優先する必要があること。また、地震発生直前の数十秒地震発生地震発生直後数百秒が、生き残る分岐点であると説明した。

 次に、「安全空間をつくる」ことの重要性にふれ、災害時は生き残ることが重要であり、日頃から危険なモノと、安全なトコロを見つけ出す訓練をしておくことが大切であると述べた。
 とくに、@施設利用者は、俊敏に動けない方が多いので、予め危険なモノから離れているように空間利用を工夫するように心がけること(危険なモノから離す)。A落下や転倒しそうなモノには、落下や転倒しないように工夫すること(危険なモノに処置を施す)。B施設利用者は、咄嗟に危険なモノや安全なトコロを判断しづらいため、予め危険なモノや安全なトコロにマークをつけたりして表示すること(「安全なトコロ」を見える化する)など具体的な対応策について紹介された。
 さらに、「的確な『危険回避行動』をとる」というテーマについて、生き残る智恵とそれを導く日頃の訓練や工夫について、以下の具体例を交えて説明した。
 ○ 揺れがきたら、『危険なモノ』から離れて『安全なトコロ』へ:からだの姿勢を低くして、危険なモノから遠ざかること。
 ○ 25歳の園児は、比較的俊敏な行動をとれるが、的確性にはやや欠けるので、園児自身の危険回避行動で自ら守るよう、日頃から体で覚えさせるようにすること(先生の『声かけ』で危険なモノから離れて安全なトコロへ)。
 その他、「職員の参集条件(基準)の設定」について、災害は勤務職員が少ない時間帯に起こる確率が高く、とくに夜間では夜勤者だけで対応できることは限られると指摘したうえで、人数が少ない状況では、まず自分の安全確保→利用者の安否確認→ひたすら応援を待つということが基本となり、応援職員が駆けつけてくれなければ事業(支援)を継続することはできなくなると述べた。
 一方、職員に「何があっても参集するように」というようなBCP(事業継続計画)を作成している事業所が多く見受けられるが、そのように書いてあればかえって職員は駆けつけない場合が多い。「家族優先の参集条件」、「家族に配慮した参集条件」、「職員の負担を軽減する参集条件」など実情に応じた対策を検討しておく方が、職員は何とかして駆けつけてくれるものである。なお、「オフのときには、自分の安全を確保でき、家族の無事も確認できたら出勤してほしい」と伝えておくことが望ましいと考えている。
 最後に、「生命線は人と水である」、「災害後の組織運営は一極集中で(指示・判断はトップ一人で)」、「初動はシンプルに」、「指揮者は動かないで報告を待つ」などの標語を交え、基本的な考え方について明快に語られた。
 暑さの残る都心でのセミナー開催となったが、「福祉施設における地震災害対策の新しいカタチ」という危機感迫るテーマでもあり多くの参加者を得つつ、すぐに役立てることのできる意義ある学びの時間を共有することができた。

(文責 東京都福祉施設士会事務局)

都道府県福祉施設士会 活動報告

 関東甲信越静ブロック「改善活動 サークル個別指導講座 講師中間報告会・情報交換会」を開催
 日本福祉施設士会・関東甲信越静ブロックは、平成25年7月27日(土)に至誠第二保育園にて、「改善活動 サークル個別指導講座 講師中間報告会・情報交換会」を開催した。
 今年度は、24箇所の会員施設(24サークル)が同講座を受講し、日本科学技術連盟の指導講師(10名)が、1都4県10か所の会場に分かれ各施設サークルを担当し、月1回定期指導を行っている(昨年度より6施設増)。
 今回の会議は、各施設を担当する講師間の情報交換をはじめ、指導サークルの状況や活動にかかる中間報告、福祉職場におけるQC活動の活性化について協議を行うことで、今後の指導内容の改善をはかることをねらいとしている。なお、同会には7名の指導講師と、受講施設の職員5名が参加した。
 各指導講師からの報告では、QC活動を立ち上げ後、継続的な取り組みができないと悩んでいる施設に対し、指導講師が担当職員に情緒的な面より客観的なデータを取得するようアドバイスしたところ、事業サイクルが回りはじめたという事例が報告された。また、QC活動を行うには、まず担当職員がQC活動の意義や効果を理解することが前提となり、次のステップとして、他の職員を巻き込んでいくことが大切になる。対策として、活動の目的・目標・活動内容を明確にして、職員への周知を重ねるとともに、職員の目のつく場所に活動内容を掲示したり、アンケートを取ったりすることで他の職員の参加意識が変わったという事例が報告された。
 今回の中間報告・情報交換会では、QC活動の取り組みは施設ごとに特徴があり、抱えている問題も様々ではあることが明らかになった。とくに、一部の職員だけがサークル活動を担うことになりがちで、施設のバックアップを受けることができず、活動が継続できないという事例が多くある。そのため、施設内でQC活動の取り組み状況を随時発信し、他の職員にも関心を持ってもらったり、職員会議などで進捗状況を報告し、問題解決のために、協力してもらえる状況を作ることが大切になるとの意見があった。また、職員だけでできることと、利用者を巻き込まなければできないことを区別して、後者の場合は、利用者にも目的や内容を説明し、関心を持ってもらうことが重要であるとの指摘があった。
 今回の会議では、講師間だけでなく、担当施設外のサークル職員の参画を得て、議論を行い、それぞれの立場に基づく意見や課題を共有することで、今後の効果的な指導につなげることを確認した。