ブロックセミナー開催報告
〔近畿ブロックセミナー開催報告〕
○近畿ブロックは、11月18日(木)〜19日(金)にブロックセミナーを開催しました。
11月18日(木)〜19日(金)の2日間、日本福祉施設士会近畿ブロックと和歌山県福祉施設士会の共催による第21回近畿ブロックセミナー和歌山大会が、和歌山県西牟婁郡白浜町の「白浜温泉コガノイベイホテル」において、45名の参加を得て開催されました。近畿ブロック各府県に加え、三重県からもご参加をいただきました。
社会福祉を取り巻く環境は、この数年で大きく変化しています。福祉施設の施設長は、変化する時代を見据え、制度・施策の動向に対応し、将来の展望を掲げて、施設の生き残りをめざさなければなりません。また、これからの施設経営のためには、施設長本人ならびにスタッフの継続的な資質の向上が必要です。
近畿ブロックでは、年1回、会員個々の資質の向上ならびに自己研鑽、会員相互の情報交換を目的としてセミナーを開催しておりますが、このたびの和歌山大会は、会報「福祉施設士」の本年度の特集テーマでもある「福祉施設と地域との連携」に焦点を当て、参加者にとってより良い研鑽と交流の場とすることをめざして開催しました。
以下、2日間の開催概要を報告いたします。
開会式では、和歌山県福祉施設士会の杉本憲彦会長の挨拶に続いて、来賓の和歌山県知事の仁坂吉伸様の祝辞を県福祉保健政策局長の山東孝章様に代読いただきました。続いて、和歌山県社会福祉協議会会長の代理として常務理事の藁科善崇様にご挨拶いただきました。
開会式終了後、基調報告、シンポジウムならびに講演1を行いました。
【基調報告】「低成長時代における社会福祉施設のオペレーションと存在意義 〜施設長に求められる資質と能力〜」
日本福祉施設士会 会長 森田 弘道
施設は地域の福祉の拠点であるとともに、防災の拠点でもあること、地域から支えられての施設であり、地域に施設の知識・技術を還元すべきであること、施設の経営にあたって、良いサービスを提供するため、アイデアを練り、地域の人々のために構想し発信することが重要であること等、示唆にあふれる報告をいただきました。
【シンポジウム】「社会福祉と地域との連携」
| シンポジスト | 京都府・岩戸ホーム 施設長 | 藤原 義章 氏 |
| | 和歌山県・和歌山乳児院 施設長 | 森下 宣明 氏 |
| | 日本福祉施設士会 広報委員長 | 後藤 忠啓 |
| コーディネーター | 日本福祉施設士会 副会長 | 前田 光泰 |
はじめに、日本福祉施設士会の後藤広報委員長から、会報「福祉施設士」の特集において施設と地域との連携を取り上げた背景、施設と地域(自治会・町内会)とのつながり方、地域へ打って出る重要性等についてお話をいただきました。
続いて、2件の会員実践報告が行われました。はじめに、京都府の岩戸ホーム施設長の藤原義章氏から、「鴨野町自治会と連携した取り組み」と題し、防災活動等を通じて地域との連携を深め、地域の防災拠点としての取り組みを進めていることが報告され、「私たちの顧客は地域の中の住民の皆様である」と語られました。
続いて、和歌山乳児院施設長の森下宣明氏は、里親制度の理解がなかなか進まない現実を訴えられ、里親支援センター事業の新規展開や、地域への理解を進める運動の推進に乳児院が関わっていること、里親制度の充実が子どもを救うことになるという信念を語られました。
【講演1】「パンダの子育て 〜みなさまに感動を届けて〜」
白浜アドベンチャーワールドサファリ ジャイアントパンダ飼育担当 中尾 建子 氏
今回の会場の白浜町には、「アドベンチャーワールド」という大規模な動物園兼遊園地があり、丁度ジャイアントパンダの双子が生まれ、全国からの注目、大きな期待が集まっています。
講演では、パンダの飼育担当の方から、飼育における苦労話、高い出産率、世界的に珍しい白浜のパンダの生態等について講演いただきました。
2日目は、セミナーに先立ち近畿ブロック総会を行い、各府県の総会・研修の報告がなされました。総会終了後、講演2を行いました。
【講演2】「福祉施設と地域との連携 〜共に痛みを分かち合い、共に生きやすい地域を創る〜」
和歌山大学 副学長 堀内 秀雄 氏
施設の職員は地域の名士たれ、「ほんまもん」の専門職として誇りを持って仕事をしよう、というお言葉に背筋が伸びました。神戸の社会運動家の賀川豊彦氏の孫の賀川督明氏のお話を引用し、「賀川氏は常に、総合的に全体的に物事を見るべきこと、共に痛みを分かち合うこと、『万人は1人のために、1人は万人のために』として、1人の子どもを救うことが世界の子どもを救うことにつながるということを語られた」と紹介され、施設職員のあり方を提示されました。また、施設と地域との連携については、「施設が地域の拠点であることは当り前である。地域全体がいわば施設である。施設はトータルなケア、総合的なケアを担わなければならない。そこに、施設が生きる道、生き残る道がある」と話されました。
講演終了後、和歌山県田辺市の上秋津地区の愛郷会の紹介DVD「地域づくり人づくり」を観賞し、「施設を創る。地域を創る。痛みを分かち合って、共に生きる」というメッセージを受け取りました。
閉会式では、和歌山県福祉施設士会の中岸由美副会長の挨拶の後、次期開催県の滋賀県の前田光泰会長から挨拶が行われ、2日間のプログラムを終了しました。
(文責 和歌山県福祉施設士会 会長 杉本 憲彦)
(お知らせ)10月27日(水)〜28日(木)に開催された北海道秋季ブロックセミナーにつきましては、次号にて報告いたします。