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【北海道ブロック】

ブロックセミナーを6月3日(火)〜4日(水)に開催

北海道
● 北海道福祉施設士会と後志社会福祉施設協議会の共催により、春季ブロックセミナーを開催しました。

〔セミナーレポート〕

 北海道福祉施設士会は第46回研修会を、去る6月3〜4日の2日間、後志社会福祉施設協議会との合同で、札幌市定山渓温泉・定山渓ビューホテルを会場に、72名の参加を得て盛大に開催した。
 社会福祉法人を取り巻く環境は、社会保障費全体の見直しのなかで、毎年の福祉関係予算の削減、また制度の見直し、改正など経営面での厳しさ、運営面での煩雑化、加えて福祉人材の確保、処遇の問題など、いつになく取り組むべき課題が山積している。
 この現状のなかで、会員相互が問題意識を共有して、課題の解決の糸口に、また情報交換等のなかで何かを見つけられないものかと真剣に取り組んだ。
 今回の研修は、数ある課題の中で「人材確保と育成」をテーマとして取り上げ、北海道福祉施設士会会長の廣瀬清蔵氏の基調講演をかわきりに、日本福祉施設士会・生涯研修委員会委員長である愛知県・知多学園理事長の磯部栄氏を講師に「BSC手法を用いた管理職の育成」を演題とした講演をいただいた。また、同法人より施設で実際に係わってきた2名の職員の発表もあり、その後の質疑応答は活気のあるもので、大変有意義な講演であった。
 2日目は、テーマを同じくして指定討論を行った。司会は、社会福祉法人黒松内つくし園常務理事の中西正清氏が行い、パネラーは、総合法人関係として、社会福祉法人後志報恩会・法人事務局長の阪口光男氏、保育所関係から、認定こども園「ふるびら幼児センターみらい」保育係長の木村孝生氏、老人福祉関係から、特別養護老人ホーム緑ヶ丘ハイツ施設長の村田泰之氏、障害者福祉関係から、社会福祉法人古平福祉会・法人事務局長の菊地修二氏の4氏により、それぞれの施設の取り組み等の貴重な発表があり、その後質疑応答を行い、第46回研修会を閉会した。

基調講演「人材確保と育成」

北海道福祉施設士会 会長
社会福祉法人黒松内つくし園 理事長 廣瀬 清蔵氏
 
 昨年のこの研修会は、法人の経営についての問題を勉強してきたが、今回のテーマは切実な問題となっている「人材確保と育成」について取り上げた理由を、経営している自身の社会福祉法人「黒松内つくし園」の現実を例題として、5本の柱を立てて話を進めていかれた。
@人材確保の現状〜5年程前と昨年の応募者数の減少の背景
A人材確保の対応〜昨年7月に示された「人材確保指針」の解説、また黒松内つくし園の待遇改善
B人材育成〜黒松内つくし園中期事業計画に人材確保と人材育成を組み入れた事、人事考課の導入。新任職員研修の内容の充実。園内研修実施による成果について。
C法人統一化の努力とガバナンスの確立〜利用者中心の視点。業務プロセスの視点(記録)。人材の視点=財務の健全化
D今後の方向〜決算のやれる人を増やす。施設長も決算をみれる。施設長は決算のできる人から内部登用をする。
等を中心に据えて、現状を捉えた意義ある講演であった。

講演T「BSC手法を用いた管理職の育成」

日本福祉施設士会生涯研修委員長
社会福祉法人知多学園理事長 磯部 栄氏

 演題のテーマであるBSC(バランススコアカード)の概要として、
企業理念・基本方針→(SWOT分析・クロス分析)→ビジョン→戦略(財務の視点、顧客の視点、業務プロセス、人材と変革の視点)→重要成功要因→業績評価指標→ターゲット→アクションプラン
 といったプロセスを踏んで行っていくことの説明があり、以下、3本の柱を分担して進行された。

1.平成20年度 選ばれるブランドづくりに取り組む

 独立行政法人福祉医療機構発行の機関紙「WAM」に掲載された「人材の育成・定着への取り組み」の解説があった。
 愛知県は有効求人倍率が日本で一番高く、人手不足は慢性化しており、経営している特養「むらさき野苑」でも最大の経営課題となっていた状況の打開に向けて、法人改革の一端として、プリセプター制度導入、ISOの取得への取り組みなどのお話をいただいた。

2.平成20年度「株式会社エスケア」BSC導入概要

講師 有料老人ホームエスケア半田 施設長
小嶋史裕氏

 磯部理事長が設立した株式会社経営の有料老人ホームの事業計画(BSCバランス・スコアカード)の作成過程の考え方の説明があった。このなかで、施設の基本方針として、
@質の高い介護を提供します
A利用者様のニーズに応えるサービスを提供します
B人が持っている命の可能性を信じ、最期まで寄り添います
C社会的ルールを遵守し、説明責任を果たします
D働きがいがある職場を実現します
 といった方針をベースに、財務、顧客、業務プロセス、人財と改革の面から各部署で事業計画を作るということである。理論的で大変参考になった。

3.平成20年度「社会福祉法人知多学園」プリセプター制度・BSC導入概要

講師 特養むらさき野苑 元施設長
布施裕子氏

 「プリセプター制度による人材育成」を趣旨にお話しされた。福祉業界にとって地域的に非常に厳しい人材難の地においては、無資格者の中途採用者に頼わざるを得ない状況にあり、この教育、育成にプリセプターシップを採り入れたとのことであった。本制度は、先輩が新人に、ある期間、マンツーマンで教育、指導を行う実践教育のことである。手順書、チェック表等のツールもあり、非常に参考になった。

指定討論 「人材確保と育成」

 各業種において、その業種が抱えている問題、課題を背景に、4施設からテーマに基づいた発表をいただいた。司会・進行は黒松内つくし園常務理事の中西正清氏が行った。
 社会福祉法人後志報恩会・総合施設長の阪口光男氏より、人材難の実態と課題、法人の現状と取り組みについて、を柱にお話をいただいた。次に、保育関係より、設置施設が伸びないなか「認定こども園」で頑張っておられる「ふるびら幼児センターみらい」の保育係長の木村孝生氏より、認定こども園の設立まで、人材確保と育成という視点から、そして今後の課題に至るまでのお話をいただいた。続いて、老人福祉関係からは、社会福祉法人黒松内つくし園・特養緑ヶ丘ハイツ施設長の村田泰之氏に、専門学校、大学の講師としての経験の上から、社会福祉の世界を覆う環境汚染、人材確保のための具体的な取り組み、魅力ある社会福祉であるために(人材の養成)、法人の理念の共有について、という面からお話をいただいた。最後に、障害福祉関係から、社会福祉法人古平福祉会・法人本部事務局長の菊地修二氏より、「障害者自立支援法」による新事業体系への完全移行の中で、新規事業サービスの確保と実践、人材確保と育成を柱として、お話をいただいた。