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●ジュウゼッペ・ベルディ財団・ベルディホーム(CASADIRIPOSOGIUSEPPEVERDI) 音楽たちの休養ホームを訪ねて
三上 貴生/細田 和子 われわれが訪問した前日に百年記念祭を行ったという財団法人ジュウゼッペ・ベルディ老人ホームを視察させていただきました。 世界的に有名な音楽家であるベルディの遺言で建てられたこの施設は、ベルディが、自身の音楽を世界的に広めてくれた関係者、恵まれていない音楽家とその家族や関係者のために設立したとされ、百年という歳月をくぐりぬけながら現在へと脈々と流れているということです。 89室のシングルルームは6畳ほどの部屋と3畳ほどのトイレ、バス洗面台で構成されています。各部屋とも往年に写した音楽活動、演奏風景などが飾られ、セピア色に染った写真は、歴史というものを感じずにはいられませんでした。利用者の平均年齢89歳、入所条件としては、あくまでもベルディ関係者に限定しており、財団法人の委員(医師、ソーシャルワーカー等)が検査、条件を満たすと判断した人が入所できるとのことです。 入所者は、現在の日本でいう自立が50%、要介護が30%、重度が20%とのことです。1960年代からは医療も扱うこととなったので、重度に関しては医療扱いになるということです。また、介護に関しては在宅援助者(1年間の研修後、修得)が行ってします。 職員構成は、医師、在宅援助者、理学療法士、看護婦(夜勤含3名)が配置されています。料金体系は最高額が月1250ユーロ(15万円ほど)で、最低は0ということでした。公的支援は全くなく、すべて財団での運営となり、財団は現在でもベルディの資産を管理し、印税や世界中の音楽家からの寄付などで運営されているということです。 財団職員の方が口にする「お客様」という言葉に優しさ、尊敬の念を感じ、帰り際リナバスターさんという80歳ほどの女性が、日課であろう、ピアノを前にして練習をしており、図々しくも一曲お願いをしたところ、快く現役でもあるソプラノを披露してくれました。迫力とも感じる声量と物語を語るかのようなピアノ演奏に涙せずにはいられませんでした。 この施設は現在の日本において目指すべき「入りたい施設」になるであろうと思います。介護現場についてはプライバシーということもあり詳しくは拝見できませんでしたが、この施設に流れる歴史、思想、空気というものは学ばなければならないと思いました。芸術的文化の思想が濃いこの施設、今のわれわれには隣の庭を覗く程度なのでしょう。 |
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