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研修後記

ギリシャの福祉の現状にふれて
−パラリンピック実行委員との意見交換−


パラリンピック関連設備 整備プロジェクトマネジャー
◆マリリー・クリストフィ氏(建築士)

REPORT 川上淑江・中野菊乃・福島廣子

 今回の研修セミナー最後の講義として、パラリンピック関連設備整備プロジェクトマネージャーのマリリー・クリストフィ女史(建築士)からお話を伺った。民間から町づくりに参加し、パラリンピック関連設備の整備に多くの貢献をしている。また、障害者の50%の人が街で不自由を感じていることがわかり、障害者の人たちが自力で利用できるよう公的機関、銀行等が新しく建設される時の法律をつくった。
 前日にバスケット競技や閉会式を見学したが、その折に会場の設備、会場へのアクセス道路、市内のオリンピック関係車両への配慮の方法、マラソンコースの確保の方法、外国人観光客の受け入れに対する工夫等を実際に目にしてきた。
 女史との意見交換の中から次のようなギリシャの状況を知ることができた。

パラリンピックを開催するまでギリシャでは、障害者に対する政策や当事者の思いはあまり重要視されてこなかった。
今回のパラリンピックで、人びとは障害者から「人の力の偉大さ」を教えられたと言える。
学校を訪問した時に、子どもたちは車いすで入ってきた障害者に驚いている様子であったが、時間の経過とともに理解できるようになった。今後は子どもたちと障害者の接点を増やす等、障害者福祉への理解を深めるため、学校教育の中に機会をつくることを計画している。
ギリシャ全土の小・中学校の子どもたちにパラリンピック見学のチャンスを与え、障害者に対する理解を深めた。
アテネは遺跡保存のため石畳の部分が多いが、障害者にとっては不都合との観点から一部作りなおす計画がある。
アテネ市内には、目の不自由な人のため特別な石版を取り付けたり、信号が特別なものに変えられた所もある。地下鉄でも視覚障害のための対応策を講じつつあるが、ごく一部で試験的に行なわれるにとどまっている。
市民教育を優先しないとさまざまな対策を生かすことができない。「教育」を最重要課題と位置づけている。
EUに加盟して変化した面もあるが、加盟基準は満たしているものの課題が多い。
アテネでは老人のケアが週1回、4〜5年前から始まった。
ギリシャの人びとはパラリンピックにおいて初めて、仕事を持ちながらボランティアの体験をすることができ、シドニー大会を上回る約16,000名が参加した。

最後に、日本からのアドバイスを求められ、参加者からそれぞれの地域での取り組みについて説明がなされ、大変友好的な学びの時間が持てた。日本の現状を説明し、大いに参考にしてもらうのも必要であると考えさせられた講義であった。

写真: マリリー・クリストフィ氏(左)と森田団長(右) 説明を受ける参加者 説明を受ける参加者

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